いきなりだけど、ぼくは要領のいい生き方ができるほうではなかった。
折り合いをつけること、割り切って生きることが下手だ。
頭がコレ!と決めるとそれしか考えられなくなって、柔軟に方向転換できなくなるところがあるのだ。
良くも悪くも実直なんだと自己分析してる。
見方を変えれば一つのことを集中してやるにはいいアタマをしているのかもしれないけど、まあ世の中そんな単純に物事は進まないワケで。
そうなると、仕事でもなんでも、結構うまくいかないこと、躓くことが多い。
その度に「ああ〜またうまくできなかった。」「ほかの人はちゃんとできるのに、自分はなあ」と、何かモヤっとした生きづらさを感じ、悩んできた。(悩むというより、どうすればいいかわからなくて、行き詰まる(息詰まる)と言ったほうがいいかも)
生きづらさを感じたときに本に相談する
そういうときのぼくの行動パターンは、悩みの答えが書いてありそうな本を読もうとする。本に相談するのだ。
それってゆとり世代特有の、すぐに答えを求める一面なのかもしれないけど。
性格は変わらない。けれどもヒントはあった。
ただ、本を読んだからって悟りを開いたように、劇的に性格や生き方が変わるということはなかった。まあそりゃあそうなんだけど。
けれども本を通して少しずつではあるが、いろんな生き方、考え方に触れることで今の生きづらさを感じている自分も肯定できるようになった。(気がする)
本からは答えは見つけられなかったけど、生きるヒントはあった。
それらは今でも印象に残っていることが多い。
前置きが長くなったが、そんなぼくが生きづらさを感じたときに、ヒントを得られた本を今回は紹介したい。
生きづらさを感じた時に読んだ本
働くことがイヤな人のための本/中島 義道
内容紹介
「仕事とは何だろうか?」「人はなぜ働かねばならないのか?」「生きることがそのまま仕事であることは可能か?」――引きこもりの留年生、三十過ぎの未婚OL、中年サラリーマン、元・哲学青年の会社経営者といった人物との架空対話を通して、人間が「よく生きること」の意味を探究する。仕事としっくりいかず、生きがいを見出せない人たちに贈る、哲学者からのメッセージ。
題名からするに、これを読む人は仕事に悩み、生きづらさを感じてる人だろう。(かくいうぼくもその一人!)
そしておそらくこの本を手にとる人は、作中にでてくる仕事に悩める登場人物の誰か(もしくは何人かの一部分ずつ)と自分がカブるのではないかと思う。
そこで自分の悩みやモヤモヤが、自分だけのものではないことに気づくと思う。
世の中同じことを気に病んでる人はいる、自分だけじゃない、ぼくはまずそんな安心感をこの本から得られた。
肝心の仕事の悩みの答えだが、残念ながらこの本には明確な答えは記されていない。
しかし、悩みを抱えながら生きていくことは決して特別なことではなく、またモヤモヤとした感情を抱えながらも生きていってもいいんだ、と先生に声をかけられた気持ちになれた。
不思議なくらい心がスーッとする断捨離/やました ひでこ
内容紹介
この爽快感は、やみつきになります!サッパリとガラクタを「捨てる」、キッパリとモノを「断つ」、スッパリと執着から「離れる」。断捨離で、家そのものが「パワースポット」に。
気に病んでいることがある。しかしそれは簡単には解決しないこともわかってる。そんな時、ことの行く末をただじっと見守ることしかできないのか。
そうした閉塞感のなかでも、やれることがある。それは捨てること。捨てることは、新たな空気を、吹き込ませることにもつながる。
身の回りがスッキリすると、不思議と心もスッキリするというか、軽くなった気分になる。今まで一直線にしか考えられなかったことが、すこし周りを見渡す余裕ができたりする。
断捨離は今感じている生きづらさを打開する決定打にはならないかもしれないが、そのためにの一歩にはなるかもしれない。
すぐには解決しようのない悩みに家の中で悶々とするだけでなく、断捨離は好きなタイミングでノーリスクでできるアクションなので、まずは少しずつ手を付けてみるのもいいかも。
断捨離についてはこちらの記事でも書いたので是非。
本田宗一郎の幸福論/梶原 一明
内容紹介
今なぜ本田宗一郎なのか改めて「男の幸せ」を問う。“世界のHONDA”を築きながらも、「好きなことをやってきただけ」という男本田宗一郎。周囲を明るくする底抜けの陽気さとそこはかとなく感じさせる人間的魅力の秘密とは何か。
ぼくの悩みの多くは、仕事についてと生き方(理想と現実のギャップ)についてだ。
前職の仕事を辞めて、ヨーロッパを旅してる時に読んだのがこの本。
転職するのは自分で決めたのだが、やはり心の何処かで「本当にこれよかったのか」と迷いがあった。
仕事は大事、人生の多くの時間は仕事をしている。それはわかっていても、ぼくは仕事とどう向き合えばいいのかわからなかった。
仕事に対してポジティブな印象を持てなかった時期だったので、だれかに「仕事って楽しいんだよ」と教えてほしかったんだと思う。
だから仕事に生きた人、世界のHONDAを作った一人の技術者であり、偉大な経営者である本田宗一郎に教えを請うたのかもしれない。
とはいえ、読む前はもっともっと説教臭いのかと思っていたが(大変失礼)、全然そんなことなかった。むしろ、ああこんな人になりてぇ、と純粋に憧れた。世のビジネスマンが本田宗一郎に魅了されるのがわかった。
本田宗一郎は偉大な経営者であるが、それ以前に一人のアツい技術屋だった。バイク、車をいじるのが好き。仕事とか趣味とかっていうんじゃなく、自分が夢中になったものが仕事になったような人だった。
ただ純粋に目の前にある好きなことに一生懸命になればいい。
生きるってシンプルにそれでいいんだ、とこの本を読んで思った。不器用で、割り切るのが下手な自分は、これくらいシンプルに考えたほうが良いのかもしれない。
自分も彼のような心持ちでありたいな、と指針になる一冊だった。
こんな僕でも社長になれた/家入 一真
内容紹介
いじめられて、ひきこもった。
なじめなくて、会社もやめた。
両親もいっぱい泣かせたけれど、
「死ぬなら、逃げろ。」 と、やっぱり言いたい。
津田大介氏推薦、佐々木俊尚氏解説。
ロリポップ!・ブクログの制作者でもあり、
IT業界を牽引し続ける連続起業家・家入一真が、誰にも打ち明けられなかったという過去を語る。
彼の事業に共通する、強いメッセージ性・優しさの源流がここに。
最後がこの一冊。
ぼくは引きこもりではないし、(苦手ではあるが)それなりに人とコミュニケーションもとれると思う。
ただそれでも、生きづらさを感じていた。
ぼくがこの本を手に取ったのは、下賎な話だが、著者の家入さんが自分よりももっと生きづらさを感じていそうだったからだ。
ぼくよりも生きづらさを感じている人による、「生きづらさを打開できた」ストーリーを聞いて、ぼくは生き抜く勇気が欲しかったんだと思う。
実際、家入さんはいろんな苦労を超え、いま自分の生きる道を見つけて前に進んでいる。
つらい過去があったり、生きづらさを感じやすい性分でも、どうやら未来はどうにかなる(できる)らしい。まあ、同じように社長になって事業も成功できるか、というと、また別の話ではあるが、ぼくも希望を捨てず、自分で自分に落ち込まず、なるべく前向きに生きていこうと思えた本だった。
まとめ
以上、ぼくが生きづらさを感じたときに読んだ本の紹介でした。
今回紹介した本に、生きづらさを無くす答えや解決策は書いてないかもしれないけれども、少しそれを和らげるきっかけやヒントはあるかもしれないので、是非手にとってもらえたら幸いだ。