最近またコーヒーが楽しい。
というのも、先日いろんな豆を使ってカッピングとハンドドリップをしていて、改めてハッとすることがあった。
それは、コーヒーの濃度と焙煎度による味との相関についてだ。
これだとなんのこっちゃという感じだけど、要するに「いわゆるコーヒーの濃い・薄いという濃度と、豆の焙煎の深い浅いによる味て、また別物なんだよなー」ってことを考えさせられたのだった。
当たり前で、ゆっくり考えればなんてことないのだけど、アハ体験というか、そういえばそうだった!と妙に気づかされたことだったので、今日はそのことについて。
そもそも、味には濃い、薄いがある。 一般的に日本人は濃いめのコーヒーが好きな傾向にあると言われている。喫茶店でてくるような、しっかりしたボディでコクのある黒々としたコーヒー。焙煎で言うとしっかり火の入った深煎りのイメージか。 一方、だいぶ市民権を得てきたように思うけど、昨今のサードウェーブ系のように浅煎りのものは、まだ味が薄くて酸っぱいといわれることも。 じゃあ、コーヒーの味の濃さって焙煎の深さに比例するんだっけ? 焙煎が深ければ、それは濃いコーヒーなのかと言われたら、正確には違うのだ。 これってお酒に置き換えて考えても近いと思うんだけど、アルコール度数が高いほど濃いお酒かって言われたら実際違うよねー、という話。 極端な例えだけど、アルコール度数の高い日本酒を1リットルの水に1滴溶かした液体と、5%程度のビールのどちらが"濃いか"といわれたら"濃い"のは後者。 つまり実際の液体の濃度と、アルコール度数(コーヒーだと焙煎の深さ)は比例せず、濃度というのは液体中にどれくらい成分が含まれているかがポイントだったよな、と そうだ、落ち着いて考えれば、なんてことなかった。 ああ世の中便利なものばっかりだな! コーヒーの濃度を測定するのにこんななものがあるのだ。 出典:Amazon.co.jp | アタゴ ポケットコーヒー濃度計 PAL-COFFEE(BX/TDS) ▲ぼくも欲しい。 この機械を使うと、TDS(総溶解固形分)という「液体中にどれくらい成分が溶けているか」という値を調べることができる。 ということになり、コーヒーの濃度を客観的に測定できちゃう。しゅ、しゅごい! 大事なのは、このTDSという値は液体の濃度を測定するものであり、焙煎の深さとは関係がない。 ということは… 当然のことながら↑こういうコーヒーも有り得るっていうハナシで。 【焙煎の浅いTDS:1.2】のコーヒーと、 でも、飲んでみるとどうか。 おそらく深煎りコーヒーの方が、ボディがしっかりしてたり、コクがあったり、スモーキーでガツンとくる印象だったりして濃く感じるのでは。(あくまで想像だけど) けどね、薄いんですよ、そのコーヒー!(TDS上はね) 実際に飲むと濃そうなのに、薄い。薄そうなのに、濃い。 ……これっておもしろくないですか?! この舌で感じて理解したことと、現実の濃度との狭間で頭がゴチャ混ぜになる感覚たまらなくないですか?! コーヒーの濃さっていうのは、焙煎の深さによる味とはまた違うパラメータであることはわかったんだけど、じゃあ最後に残るのは、美味しいコーヒーの濃度ってどれくらいなの?ということ。 一応「1.1~1.3くらいの濃さがいいんじゃね」っていうTDSの値の目安みたいなものはあるんだけど、それもあくまで目安なので、美味しい濃度というのは実際に飲んでみて決まるっちゅうことですな。 そこを探るのが、ハンドドリップなりの抽出という作業になるわけだ。 【参考記事】 同じTDSだとしても豆によって味の印象は全然違う。 人の味覚っていうのはそれくらいあやふやというか、信用できないところでもある。 珈琲道の道のりは暗く、奥が深い!(焙煎だけに) コーヒーの濃い・薄い=??
醤油だって、お酒だって、もちろんコーヒーにだって。
喫茶店コーヒーに慣れた世のオジサマたちにとっては「こんなもんコーヒーじゃないわい!」と言われるとかないとか。
答えは、否。コーヒーの濃度≠焙煎の深さ
コーヒーの濃度を測ろう"TDS"
なのでTDSが、
※どうやって測定しているか詳しい事はこちら → ポケットコーヒー濃度計 PAL-COFFEE焙煎の浅い濃いコーヒーと焙煎の深い薄いコーヒー
【黒黒としたテッカテカの深煎りのTDS:0.9】のコーヒーでは
前者のほうが濃いということ。(TDS上はね)美味しいコーヒーは濃い?薄い?
TDSを調整するとなると、粉の量を変えたり、挽き目を変えたり…また今度にしましょう。さいごに
逆に、同じような濃さだと感じても、実際は違ったり。
逆にそれを利用してレシピを組み立てるのが、美味しいコーヒーを淹れるということでもある。
それを求めるのがまた大変であり、おもしろさでもあるんだよね。